WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)
- 計算方法:WHIP = (与四球 + 被安打) ÷ 投球回
- 概要:野球における投手の成績評価項目の1つで、1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値。
参考数値
- 1.00未満→球界を代表するエース
- 1.20未満→エース級
- 1.32→平均
- 1.40→平均以下
- 1.50→悪い
WHIPの読み方→ウィップ
こんにちは。
小さいころから野球ばかりやっていて野球のことしか考えられなくなった
てぃー(th0m0m)です。
時々プロ野球でみかけるWHIPという投手の指標。
これ、簡単で単純な指標なんですが・・・
その投手の状況を把握するのに結構便利なんですよね。
セイバーメトリクスの指標の中でもわりと有名かと思います。
現在は他にも色々な指標がでまわっているため、
WHIP自体には賛否両論もあるようですが、
個人的にはよく見る指標のひとつです。
冒頭でも記載しましたが、指標の意味も計算方法もすごく簡単。
“1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値“ となっています。
Contents
WHIPの読み方は「ウィップ」
まず最初に・・・
と思いませんでしたか?
僕は最初読めませんでした(笑)
一般的にはこう読みます。
「ダブリューエイチアイピー」とそのまま読むこともできますが、
今は「ウィップ」と読むほうが無難ではないでしょうか。
「ウィップ」で通じないときは、
「ダブリューエイチアイピー」と伝えてみましょう。
WHIPの指標の見方と計算方法
例があるとわかりやすいですよね。
と、いうことで元日ハム武田久投手の2011年~2013年成績がわかりやすいので、
ちょっと見てみましょう。
武田久投手は日ハムファンならおなじみ不動のストッパーでした。
上の表を見ると2011年~2013年は防御率も1点台~2点台前半でまとめつつ、
セーブ数も30以上あげています。
ここで見てもらいたいのが “WHIP” の数値です。
2011年のWHIPは0.78・・ということは1イニングで約0.8人の走者を塁にだしている。
ということになります。
クローザーですので、だいたい1試合あたり1イニング程度の登板となります。
そうしますと、2試合で1人~2人走者を出すかな?という程度ですので、優秀な数値となりますね。
WHIPの参考数値
- 1.00未満→球界を代表するエース
- 1.20未満→エース級
- 1.32→平均
- 1.40→平均以下
- 1.50→悪い
そして、その翌年です。
2012年のWHIPは1.38・・ということは1イニングで約1.4人の走者を塁にだしている。
ということになります。
クローザーとして登板したら毎試合1人は走者が塁上にいる計算です。
そして2回に1回は走者が2人塁上にいるという、ちょっと心臓に悪いクローザー・・という印象でしょうか。
しかし、WHIPだけでは評価ができないのが面白いところ。
結果としては防御率は2.32で32セーブをあげています。
打たれても走者は返さず、しっかりとセーブをあげてる
こういうことになりますね。見ている方は冷や汗ものですが・・・
そして2013年です。
2013年のWHIPは1.69・・ということは1イニングで約1.7人の走者を塁にだしている。
ここまでくると、クローザーとして登板した試合は常に2人の走者が塁上にいる計算でしょうか。
これは見ている方はたまったものではありません笑
よく防御率2.28で堪えていると思います。
しっかりセーブも31あげていますが、
内容はお世辞にもよくないということがWHIPでわかります。
WHIPで見て取れるのは “投球の内容”
そうなんです。
WHIPは “1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値” をあらわすため、
WHIPという指標単体でその投手を評価するわけではないんです。
投球の内容を見ることができる
というのがわかりやすいでしょうか。
これだけみると素晴らしいクローザーに見えますが・・・
こうやって内容を見ると、ちょっと危険な(冷や汗ものの)クローザー・・というのが想像つきますね。
※武田久さんには申し訳ないのですが・・・
WHIPの問題点
WHIPにはいくつかの問題点があると指摘されています。
WHIPの計算には “死球” は含まない
そうなんです。
計算式:WHIP = (与四球 + 被安打) ÷ 投球回
という計算式であることから、死球で走者だしても数値には影響ありません。
何故か。
死球は打者の責任であり、投手の責任ではない
という考えかたがあるようです。
これは個人的にはどうかなぁ・・と疑問に思うところです。
“与四死球” で考えるべきでは?と思ったりもしますけどね。個人的には・・ですが。
WHIPは運に左右されるので、評価をすることはできない?
セイバーメトリクスにはこういった考え方があります。
インプレーになった打球がヒットになる確率は長期的に見るとどの投手も大差はなく、投手は打球の結果をコントロールできない
ようするに、グラウンド内に飛んだ打球は長期的にみるとみんな平均的な値に収束する・・ということです。
※これを表す “BABIP” という指標がありますが後日記事に載せます
極論で言うと・・
WHIPの数値は投手でコントロールできないものである。
よってWHIPでは投手のスキルを計れない
ということでしょうか?
これも個人的にはどうかと思いますけどね。
たしかに、安打は運の要素も強いとは思いますが、
それに依存しない奪三振が多ければWHIPの数値は良くなりやすいですし、
四球が多い投手はそのままWHIPに表れます。
そして、やっぱり被打率が悪い(WHIPの数値が悪い)投手はどこかしら問題があると考えます。
なので、WHIPという指標はわかりやすく単純ですが、個人的には防御率等と合わせて見ることは十分有効だと思っています。
まとめ
長くなりましたがまとめますと・・・
- WHIPは1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値である
- “投球の内容” を見ることができる指標である
- WHIP単体で投手を評価するものではない
- 死球は含まれない
こんな感じです!
最近は投手成績にWHIPの数値も載っていたりするので、
ぜひ注目してみてください。
ちなみに「セイバーメトリクス」ってなに?という方には、
こちらで詳しく解説しています。
理解しておきたい指標などまとめてありますので、
ぜひどうぞ。