OPS(On-base plus slugging)
- 計算方法:OPS=出塁率+長打率
- 概要:打者を評価する指標の1つ。打率よりも得点との相関性が高いと言われている。数値が高いほど得点との関連性が高い選手として評価される。
※長打率に関しては「今さら聞けない「長打率」の意味と計算方法」で詳しく説明してます。
※出塁率に関しては「出塁率に犠飛・犠打・失策は含まれるのか。その計算方法は?」で詳しく説明しています。
OPSは打者の攻撃力を計る指標!何のためにあるのか。
野球における「OPS」はセイバーメトリクスの指標の中で、
最も有名な指標・・といっても過言ではないと思います。
得点との関連性も高いの指標なので、要注目です。
「打率」の欠点について
「打率」という指標は、
恐らく野球を見たことが無い人でも耳にしたことがあるのではないか・・
というぐらい有名な指標ですよね。
数式も非常に簡単。
・打率=安打数÷打数
しかし、この簡単さ故に打者を評価しきれていない部分も大きいんです。
ちょっと極端な例を用意したので見てみましょう。
3人の例です。全員打席数は同じ「100」としました。
- 単打くん・・100打数25安打で打率は0.250。安打は全て単打です。
- 四球くん・・60打数15安打で打率は0.250。しかし四球を40個選んでます。
- 長打くん・・100打数25安打で打率は0.250。しかし安打の内訳は2塁打20に本塁打5本です。
打率のみでこの3人を評価した場合、全員打率0.250のため同じ評価になってしまいます。
これは正しく彼らを評価できているのでしょうか?
では、これをOPSで見てみますと・・・
OPSは長打くんが一番高い結果となりました。
続いて四球くん。単打くんは断トツで低い数値となっていますね。
このように、打率では補えない部分を評価できるのがOPSです。
OPSの評価基準
OPSの開発者であるビル・ジェームズは下記のように打者をランク付けしています。
OPS参考ランク表
- A(非常に素晴らしい)・・0.900以上
- B(非常に良い)・・0.8334~0.8999
- C(良い)・・0.7667~0.8333
- D(並)・・0.7000~0.7666
- E(平均以下)・・0.6334~0.6999
- F(悪い)・・0.5667~0.6333
- G(非常に悪い)・・0.5666以下
OPSの注意点
OPSは「打者のタイプの違いに関して判別は難しい」
OPSの指標は「長打率」と「出塁率」を足すという性質上・・
・長打が少なくて出塁率が高い打者
・長打が多くて出塁率が低い打者
数値からはこのような「打者のタイプ」は読み取れません。
各指標の相関係数
OPSのメリットは簡単な計算式に加えて、得点との相関係数が高い点にあることです。
各指標の相関係数はこのように言われています。
各指標の相関係数
NPB1980年~2010年のデータより
- 打率・・0.776
- OPS・・0.941
MLB2000年~2004年のMLBデータより
- 打率・・0.849
- 出塁率・・0.910
- 長打率・・0.913
- OPS・・0.955
※数値が1に近いほど得点との関連性が強い
このようなことから、OPSは他の指標よりも簡単に得点との相関性を比較できると言われています。
まとめ:今さら聞けない「OPS」の意味と計算方法
- OPSは他指標よりも得点との相関性が高い
- OPSによって打率では補えなかった部分を評価できる
- 打率・出塁率・長打率も合わせて見ると打者タイプも判別できるので良い
ちなみに「セイバーメトリクス」ってなに?という方には、
こちらで詳しく解説しています。
理解しておきたい指標などまとめてありますので、
ぜひどうぞ。