日ハムファンなら恐らく同じ考えだと思うのですが、
日ハムの有原投手があれだけ打たれてしまうのか納得いかないんですよね。
- 150kmを超えるストレート
- 約190cm,100kgの恵まれた体
- 6種類の多彩な変化球を操る器用さ
当然、エース級になってくれることを期待しているのですが、どうしても歯がゆい成績に。
各年の成績はこちらです。
2016年・2017年と2年連続で2ケタ勝利をしているとはいえ、期待値からするとどうしても今一つ。
その理由はWHIPという指標が物語っていますね。
WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)
野球における投手の成績評価項目の1つで、1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値。
参考数値
- 1.00未満→球界を代表するエース
- 1.20未満→エース級
- 1.40以上→問題がある
WHIPの詳細は”WHIPの意味と計算方法について。知っておくと便利な投手の指標“で詳しく解説しています。
有原投手は毎年高めのWHIPを叩き出していますが、
K/BB(三振/与四球)という数値は悪くないことから被打率の悪さが目立つ結果となっています。
要するに・・・たくさん安打を打たれてしまう
ということですね。
なんであれだけ好スペックでありながら、こんなにも打たれてしまうのか。
納得がいかないので2018年のデータを全てひっくり返して問題点をあぶり出したいと思います。
記事が少し長くなるため、2回に分けたいと思います。
少しだけお付き合いお願いします。
Contents
日ハム有原投手の球種比率
まずは日ハム有原投手の球種をしっかりと把握しておく必要があります。
2018年球種比率です。
ストレートの比率は約40%とかなり低めの傾向。
スライダーとカット、フォークは同じぐらいの比率で投じていますね。
しかし、これらの変化球は右打者と左打者で使い方がだいぶ変わってきますので、
打者左右別の球種比率も見ていきたいと思います。
有原投手:対右打者の球種比率
2018年有原投手の ”対右打者” の球種比率です。
ストレートの比率が上がり、約半分。
ストレートとスライダーでカウントを取り、
フォークで決めに行くオーソドックスなスタイルと見ることができます。
有原投手:対左打者の球種比率
つづいて “対左打者” の球種比率です。
こっちは結構極端な比率となっています。
ストレートの比率は大きく下がり、約30%近く。
代わりに対右打者ではほとんど使用していなかったカットがストレートと同じぐらいの比率となってきます。
また、チェンジアップも右打者には投じてませんが、
対左打者には約15%投じています。
対右打者と比較すると、使える球種を少しでも多く使って打ち取ろうとする姿勢が見て取れます。
さて、次は気になる球種別の被打率です。
日ハム有原投手:球種別の被打率
単純に被打率で全てを語れるわけではありませんが、
打者が前に飛ばした時にどのくらい危険か・・
というのを把握するのには十分参考になると思います。
有原投手:ストレートの被打率
ストレートの被打率:0.323(68打数22安打)
対右打者→0.297(47打数14安打)
対左打者→0.381(21打数8安打)
ストレートの被打率はやはり高いですね。
特に左打者に関しては、前に飛ばされた場合4割近く安打にされています。
ちなみにストレートの奪空振り率は2.69%とかなり低い数字です。
空振り率は球速に比例する傾向があります。
有原投手のストレート平均球速は145.8kmです。
NPB平均と比較してみると・・・
2014年~2016年NPB:球速別ストレート奪空振り率
- 145~149kmの奪空振り率は8.0%
NPB平均と比較しても、ストレートの奪空振り率はかなり低い傾向になっています。
有原投手も恐らく自覚があるからこそ、変化球比率を多めとしているのかもしれません。
しかし、その変化球の被打率が問題です。
有原投手:スライダーの被打率
スライダーの被打率:0.521(23打数12安打)
対右打者→0.526(19打数10安打)
対左打者→0.500(4打数2安打)
有原投手にとって、スライダーはカウントを取る際に使用していますが、
狙われると非常に危険な球種となっています。
被打率は5割以上ということで、前に飛ばされると半数以上は安打となってしまう数字です。
左打者にはカットを多用しますが、このカットの被打率も問題です。
有原投手:カットの被打率
カットの被打率:0.500(22打数11安打)
対右打者→機会無し(0打数0安打)
対左打者→0.500(22打数11安打)
左打者にはストレートと同じ比率で使用しているカットですが、
こちらもかなり危険な球種となってしまっています。
被打率は5割。
前に飛ばされれば半数は安打となってしまいます。
対右打者のスライダーと同じく、課題が残る球種です。
有原投手:チェンジアップの被打率
チェンジアップの被打率:0.250(8打数2安打)
対右打者→機会無し(0打数0安打)
対左打者→0.250(8打数2安打)
チェンジアップはほぼ対左打者のみに使用します。
こちらは打数の機会が少ないのでなんともいえませんが、
割とタイミングを外してファウルが取れている印象です。
ファウル・見逃しストライク・空振りを合わせた率は45.3%。
カットがいまひとつピリっとしない現状では、
もっと対左打者にはチェンジアップのもう少し増やしても良いかもしれません。
有原投手:カーブの被打率
カーブの被打率:0.222(9打数2安打)
対右打者→0.285(7打数2安打)
対左打者→0.000(2打数0安打)
打数の機会が少ないので、この結果からはなんともいえませんが、
見逃しのストライクはとれているので、緩急をつける球種としては機能していると考えられます。
カーブの見逃しストライク率は30.6%。
ストレートとkのカーブのコンビネーションは左右問わず増やしてよいのでは。
有原投手:フォークの被打率
フォークの被打率:0.070(42打数3安打)
対右打者→0.043(23打数1安打)
対左打者→0.105(19打数2安打)
フォークは素晴らしい結果となってます。
まさに無双状態ですね。
フォークの70%以上は2ストライク時での使用なので、
決め手はしっかりあると見ることができます。
追い込むまでが課題となってますね。
まとめ:球種別の被打率に関して
まとめますと・・・
- ストレートの被打率は高い(特に左打者)
- スライダーは危険(被打率0.521)
- カットは危険(被打率0.500)
- フォークは素晴らしく無双状態
これが現在の日ハム有原投手の状況だと思います。
中継の解説で時々「決めてが薄い」ようなことを聞くことがありますが、
それは逆であり、「追い込むまでが課題」になっていると思います。
そうなるとカウント別の被打率も気になってくるところ、
次回は ”カウント別の被打率” に焦点をあてたいと思います。
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