こんにちは。
UZR(守備指標)の面白さに引かれて毎週数値を追っている
てぃー(@th0m0m)です。
シーズンが終了すると毎年発表されるこの「ゴールデングラブ賞」。
これを読んでいるあなたも、
おそらくこんな経験があるのではないでしょうか?
「え?なんで〇〇選手がゴールデングラブ賞を?!」
どうでしょうか。
個人的に、僕は結構ありましたね(笑)
ゴールデングラブ賞は「記者投票」のため、
どうしても「印象」が強い選手が受賞する傾向になっている思います。
昔であれば・・・
「まぁ、そんなもんか・・」
で終わっていたのですが、
今の時代は守備力を数値化して比較ができる「UZR(守備指標)」というものがあります。
これ、実際のゴールデングラブ賞受賞者とこの「UZRランキング」を比較してみたら面白いと思いませんか?
ということで・・・この記事ではこんなところを見ていきたいと思います。
2014年のゴールデングラブ賞受賞者とUZRランキングの比較
受賞者のUZR(守備指標)は果たしてどうなっているのでしょうか。
きちんと「守備力」は評価されているのでしょうか。
だいたい5分程度で読める内容となってますので、
少々お付き合いください。
ちなみにUZRってなんだろう?というかたは、
守備を「指標」で評価ができる「UZR」とは?理解すると野球の楽しみが2倍に!
で詳しく解説しています。
Contents
ゴールデングラブ賞とは?選出方法とその基準
最初にゴールデングラブ賞の選考方法と基準をおさらいしておきましょう。
そもそもゴールデングラブ賞とはなんなのか?
守備力に卓越した選手を表彰する賞
1972年にダイヤモンドグラブ賞として創設され、
1986年から「ゴールデングラブ賞」という名称となっています。
位置づけとしてはセ・パ各連盟の公式表彰に準じた「特別賞」となります。
現場取材経験が5年以上のプロ野球担当記者による投票
※新聞社・通信社・テレビ局・ラジオ局
指標や成績がどうのこうのではなく、
「記者による投票」ということがポイントです。
良い悪いは別として、どれだけ記者の印象に残る守備をするか・・・
がカギとなるわけですね。
そして、打撃成績に「規定打席」というものがある通り、
このGG賞にも規定となるラインが存在します。
- 投手・・・規定投球回以上、またはチーム試合数の1/3以上登板していること
- 捕手・・・チーム試合数の1/2以上捕手として出場していること
- 内野手・・チーム試合数の1/2以上「ひとつ」のポジションで守備についていること
- 外野手・・チーム試合数の1/2以上外野手として出場していること
これらを念頭において2014年ゴールデングラブ賞とUZRの数値を比較していきましょう。
最初に・・UZR(守備指標)の見方
UZRの数値について
UZRの数値の見方としては・・・
平均的な同じ守備位置の野手と比較して、どれだけチームの失点を防いだか
ということを踏まえて、UZRのポイントを整理します。
- 数値が高いほど優秀
- 各ポジションごとの相対評価
- そのため他ポジションとの数値比較はできない
- 12球団平均は「0」となる
- 守備イニング数が多いほど数値は高くなる傾向
UZRは「積み上げ式」の指標なので、
平均レベル以上の選手が守備につけば、
守備イニング数が多いほどUZRの数値は高くなる傾向となります。
そのため「守備力」を比較したい場合、
守備イニング数を揃えて比較ができる「UZR1000」を使います。
UZRの内訳詳細について
UZRは以下の指標で構成されています。
- ARM (送球貢献)・・捕殺数だけでなく、走者の進塁をどれだけ抑止したかを計る指標
- DPR (併殺貢献)・・併殺が期待される状況で、どれだけ併殺を完成させたかを計る指標
- RngR(守備範囲)・・守備範囲の広さを表す指標
- ErrR(失策防止)・・平均的な失策発生状況と比較し、「どれだけ失策を犯したか」ということから貢献度を計った指標
内野手であれば「DPR,RngR,ErrR」の3つの指標。
外野手であれば「ARM,RngR,ErrR」の3つの指標。
これらの合計値が「UZR」となります。
2014年ゴールデングラブ賞受賞者
まずは2014年ゴールデングラブ賞の受賞者です。
UZRの数値はポジション別にランキング形式でまとめてあります。
2014年UZR(守備指標)ランキング:ファースト
ファーストに関しては、
セ・リーグ、パ・リーグともにUZRトップの選手がゴールデングラブ賞を受賞してますね。
これは妥当な選出でしょう。
2014年UZR(守備指標)ランキング:セカンド
パ・リーグは本多選手と藤田選手の争い、
セ・リーグは菊池選手と片岡選手の争いになってますね。
菊池選手の選出は妥当だとして、
パ・リーグはUZRの指標上では本多選手が断トツトップですが、
受賞者は藤田選手が選出されています。
やはり「藤田選手のイメージ」が勝った結果でしょう。
それにしても・・投票結果の内訳をみると凄い差だったんですね。
2014年パ・リーグ ゴールデングラブ賞投票内訳
- 藤田 一也・・201票
- 平野 恵一・・10票
- 中島 卓也・・9票
- 本多 雄一・・3票
指標が全てとは言いませんが、
イメージというのは大きいわけですね~。
2014年UZR(守備指標)ランキング:ショート
この記事を書いているのは2018年ですが、
UZRショートトップ2人は今現在もトップクラスの数値を叩き出しています。
※トップはバケモノ源田選手が居座っています(笑)
が・・パ・リーグ受賞は今宮選手でした。
まぁこれは良しとしてもセ・リーグの方が注目ですね。
UZRの指標ではほぼ最下位に等しい鳥谷選手が受賞しています。
UZRの内訳を見ても、
失策防止のErrRこそ平均点ですが、
守備範囲を示すRngRは酷い数値。
う~ん・・・記者投票だから・・といってしまえばそれまでですが、
なんとも言葉がでてこない結果です(笑)
ちなみに投票結果はこうでした。
2014年セ・リーグ ゴールデングラブ賞投票内訳
- 鳥谷 敬・・224票
- 坂本 勇人・・20票
- 該当者なし・・1票
しかも断トツでの受賞ですか。
申し訳ないけど、これは首をかしげる結果ですねぇ。
2014年UZR(守備指標)ランキング:サード
パ・リーグは松田選手が受賞です。
これは文句なしですね。
セ・リーグはサードUZRランキング6位の村田選手が受賞しています。
村田選手は併殺貢献のDPRは平均値。
失策防止のErrRは2.0とサードでトップクラスの数値をだしています。
UZR数値の足を引っ張っているのがRngR(守備範囲)。
数値から推測すると2014年村田選手の守備は・・・
- 併殺は12球団平均値程度とれている
- 守備範囲内にきた場合、難しい打球も数多く捌いている
- 守備範囲は非常に狭い
守備範囲ってテレビ中継からだと正直わかりづらいんですよね・・
なので難しい球を数多く捌いている+いままでのイメージ
という観点から受賞しても不思議ではないかもしれないですねぇ。
なるほど・・・
ちなみに投票結果詳細です。
2014年セ・リーグ ゴールデングラブ賞投票内訳
- 村田 修一・・160票
- 川端 慎吾・・30票
- A・バルティリス・・21票
- 今成 亮太・・10
- H・ルナ・・5
- 該当者なし・・19
同じ理由でバルティリス選手の票も多いのではないでしょうか。
バルティリス選手もErrR(失策防止)は良い数値ですが、
守備範囲を示す(RngR)の数値は非常に悪いですね。
2014年UZR(守備指標)ランキング:外野手
ゴールデングラブ賞とUZRの関係を見る場合、
難しいのが外野手です。
というのも・・・UZRは「各ポジションの相対評価」なので、
レフト・センター・ライトを同列に語ることはできません。
ただし、ゴールデングラブ賞は「外野手」でひとくくりにされてしまいます。
かといって、ポジションごとにゴールデングラブ賞を設置するのも微妙かなぁ・・
う~ん。
毎年そうですが、レフトからの選出はほとんどないですよね。
見せ場がセンターと比較して少ない+守備力が劣る選手はレフトにまわされやすいので、
守備が良くない選手が固まるからでしょうね。
UZRは相対評価なので、
そんな中に守備力が高い選手が一人ポツンと入ってくると、
その選手のUZRは爆上がりしていくわけです。
ということで他のポジションとの数値比較は困難・・ということなんですよね。
守備の名手が固まるセンターにゴールデングラブ賞受賞者は集中します。
柳田選手のRngR(守備範囲)が非常に低いのが気になるところ。
ただし、強肩のためARM(送球貢献)の数値は高いので、
この部分が大きく評価されてるのでしょうね。
強肩は非常に目立ちますし、印象が強くお客さんも喜びますしね。
ライトからはUZR最下位の糸井選手が受賞。
既に守備は衰えが数値に表れている糸井選手ですが、
やはり今までの印象からそのまま選出されているのでしょう。
当時の糸井選手はオリックス。
数値から見ると、西武の秋山選手あたりが受賞してもおかしくなかったんですけどね。
まとめ
2014年ゴールデングラブ賞受賞者とUZR数値の関係性を見てみました。
まとめますと・・・
- 前年までの印象は非常に大きい
- 内野手はErrR(失策防止)が良い選手は印象が良い
これはあくまで考察であり、独自の考えですが・・・
内野手で「ErrR(失策防止)の数値が高い=印象が良い」と思うので、
こういった選手はゴールデングラブ賞は選出されやすいかもしれませんね。
ErrR(失策防止)が高い選手
→エラーが少ない+グラブ捌きが上手い=見栄えも良い
となるので当然かもしれませんが。
テレビ中継だけだと内野手の守備範囲ってわかりにくいですからね。