- ストレートの平均球速は142㎞だが回転数が多く、キレがある
- 6種類の多彩な変化球を投げ分ける
日本ハムファイターズで(直球の)回転数が多いのは上沢直之だ。
球速は140キロそこそこだが、空振りの取れる球を投げる。
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上沢投手の最大の特徴「多彩な変化球」が2018年大きく進化
上沢投手の持ち球一覧と球種の割合
上沢投手と言えばキレのあるストレートに多彩な変化球が大きな特徴となっています。
持ち球一覧はこちらです。
- ストレート
- ツーシーム ※少しだけ
- スライダー
- カット
- カーブ
- ナックルカーブ ※2018年から使用
- フォーク
- チェンジアップ
ツーシームはほとんど使わない(ほぼ0%)ので、ストレートの他に6種類。
これらの球種内訳はどうなってるでしょうか?
故障明けの2017年と好調の今年を比べてみます。
2017年はストレートとフォーク・スライダーの3球種を中心としてましたが、
今年はストレートの割合が減り、
各変化球の比率が偏らずに同じぐらいとなってきました。
そして、大きな変化が次の項目です。
上沢投手のスライダー・カット・カーブ系・チェンジアップの被打率が激減
これが今年上沢投手が好調を維持している大きな要因となっています。
各変化球の被打率を見てみましょう。
注目してもらいたいのが「フォーク以外」の変化球です。
※フォークはもともと優秀ですので
昨年はフォーク以外の変化球の被打率が0.329とかなり打たれていましたが、
今年は0.103と無双状態になっています。
これは凄い進化ですね。正直びっくりです。
一体なにが起こっているのでしょうか・・・
上沢投手の変化球被打率が改善された3つの理由
ここからはあくまでも推測です。
野球の醍醐味のひとつはこの「推測」「考察」ですからね。
- 昨年は故障明けだったので、今年に入りコンディションが良くなってきた
- フォームの変更
- フォークが高速化し、平均球速がストレートに近づいてきた
このあたりが考えられるでしょうか。
考察1:上沢投手は2016年に手術をしており、ようやくコンディションが良くなってきた
上沢投手は2016年に肘の手術をしています。
2017年に復帰して4勝9敗で防御率は3.44という結果。
今年に入って肘のコンディションが良くなってきて、
腕が振れるようになってきたため変化球のキレが良くなった。
↓
変化球被打率の改善。
こういった考えもできそうです。
考察2:フォームの改善が進んでいる
上沢投手は2016年の手術以降、負担のかからない投球フォームを追求していると聞きます。
上沢投手のコメント
「いいボールを投げる時のフォームが、体にも優しい投げ方」と気づいた。
テニスラケットなどを利用して「上からしっかりパンって、たたく感じ」と、フォームを固めた。
こういったフォーム改善の追求が進んでいる結果かもしれません。
考察3:フォークが高速化して平均球速がストレートに近づいてきた
上沢直之(日本ハム)フォーク平均球速(km/h) 5.16時点
2014 135.4
2015 135.2
2017 137.6
2018 139.5https://t.co/PlRYO3C3ZG
上沢は故障で休んだ2016年をはさんでフォークが高速化。今季のストレート平均球速は142.6km/hであるため、ストレートとの球速差は3km/h程度しかない。— DELTAGRAPHS (@Deltagraphs) 2018年5月16日
上沢投手のフォーク平均球速が年々向上しており、
2018年現在はストレートとの平均球速の差が約3㎞しかない状態となっています。
これも結構効いているのかもしれませんよね。
球種を絞りづらくなった分だけ、他球種の被打率が激減した可能性も考えられます。
ちなみに他球種の平均球速は・・・
- ストレート・・・・平均球速142㎞
- フォーク・・・・・平均球速約139km
- カット・・・・・・平均球速135km
- スライダー・・・・平均球速129km
- カーブ・・・・・・平均球速116km
- ナックルカーブ・・平均球速120km
- チェンジアップ・・平均球速132㎞
上沢投手の場合、ストレートからそこまで球速差が無い球種も豊富です。
また、カーブやナックルカーブで緩急をつけることも可能です。
この多彩な変化球が大きな持ち味ではないでしょうか。
まとめ:上沢投手好調の要因
- 各変化球の被打率が大きく改善された
- 各変化球の球種比率が同じぐらいとなり、より球種が絞りにくくなった
- フォークが高速化し、直球との差が3㎞程度となった
好調の要因は「これ」というように断定はできませんが、
少なくても各変化球がいつも以上に効いているのは間違いありません。
変化球が効いているということは、
投球の軸になるストレートも走っていることを意味するので、
このまま日ハムのエースとして、1年好調を維持してくれるよう期待したいですね!